王品というブランドは面白い。
高級かと聞かれると、そうでもない。
でも台湾では、会食や祝日、年長者のお墨付きとなると、結局ここへ入ることが多い。
最も驚かせる店ではない。でも「安心させる」のがうまい。

今回は寒かったので、青花驕麻辣鍋 板橋縣民大道店(Chin Hua Jiao Spicy Hot Pot — Banqiao Xianmin Boulevard)へ行った。
何度も前を通りながら、入るまで長くかかるかもしれない店だ。
まず鍋から。
青花椒麻辣鍋。
最初のひと口は辛さではない。
しびれだ。
何に似ている?
冬の朝、手足が冷えたところへ急にお湯が触れたような感じ。
刺激ではなく、ゆっくり目覚める。
辛い物をあまり食べない私にも、意外と受け入れられた。
もうひとすくいしたくなるほどだ。
次はイカすり身。
これは実に正直だ。
噛めば弾力そのもの。
弾むふりをした加工品の食感ではない。
むしろ気の強いグミを噛んでいる感じだ。
ひと口ごとに「中身があるぞ」と念を押してくる。
単純だが記憶に残る。
最後はとても地味な物。
揚げパン。
見落とす人も多い。
でも実はこういう物ほど腕が出る。
鍋に入れるあの数秒は、
入浴のようだ。
早く上げれば乾いたまま。
長すぎれば全部崩れる。
ちょうどいい瞬間をつかめば――
外は汁を吸い、中には少し空気が残る。
その食感は、
焼きたてパンの端のよう。
少しサクッ、少し柔らかく、妙に癖になる。
全体として、
この店は驚きの声を連発させようとはしない。
むしろ昔気質の友人に似ている。
大げさでなく、
失敗もしない。
毎日思い出すわけではないが、
本当に大勢で一卓を囲むときは――
やはり候補に入っている。